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流行りのビタミンAについて詳しく説明してみました①

投稿日:2021/02/15

こんにちは🌸

虎ノ門中村クリニック看護師仲瀬です。

前回免疫についてお話した際に少し触れたビタミンAについて詳しく記載していきたいと思います。

 

最近、メディカルコスメなど配合されている、しわ・たるみ予防・改善に有効的なビタミンAとは?

ビタミンAの肌効果としては、①光老化予防②繊維芽細胞刺激によるコラーゲン・エラスチン生成作用③ターンオーバー促進作用④皮脂分泌抑制作用表皮細胞成長促進があります。本来のビタミンAの役割としては、肌が本来持っている新陳代謝や皮脂の調整などの機能を回復させ正常化させることであり、つまり、「肌が自分でよくなる力を引き出す」ための存在なのです。 

 

ビタミンAにはパルミチン酸レチノール、プロピオン酸レチノール、酢酸レチノール、レチノール、レチナール、レチノイン酸(トレチノイン)の5種類があり、肌に塗布した際ほとんどがパルミチン酸レチノールの形に変換され肌に蓄えられます。化粧品の裏の表記にもこれらの名称記載されているのでご存じの方が多いのではないかと思います。 

パルミチン酸レチノールプロピオン酸レチノール、酢酸レチノールは守りのビタミンAといわれており、皮膚に塗布した際に比較的マイルドに反応します。また、SPF20の役割を担うといわれており、夏場にはぜひこの3種類のビタミンAを使用していただきたいです。 

なぜ、SPF20の役割を担うのか?実際ビタミンAは私たちの身体の中で何に一番多く使われているかとと、目です。人間が光を感じるために使われるのが、ビタミンAから変換されるロドプシンという物質です。(網膜の光を感じる細胞の中にいて、光で分解される)この性質から、我先に!と自ら分解されることにより、肌の中で紫外線防御の役割を果たしてくれるのです。 

レチノール、レチナール、レチノイン酸は、肌に塗布することで炎症が強くでます。特にトレチノインは他のビタミンAとは違い何にも変換する事なくレチノイド受容体にホールインワンします。その結果、肌に強い炎症を引き起こし、ターンオーバーが一気に促進され、皮け等がすぐに起こります。レチノール、レチナールレチノイン酸に変換されやすいです。 

即効性を感じやすいかと思いますが、炎症反応が強いため、紫外線が強い夏場ではなく冬場に使用することをおすすめします。 

身体の細胞の成長や分化・成熟に働きかけるのはレチノイン酸であり、必要に応じてパルミチン酸レチノールから変換されます。最終的にレチノイン酸に変換されるためには、生体内にもともとある酵素(タンパク質)による変換が必要です。レチノイン酸を体内で生成するのしても、材料(ビタミンA誘導体)が違えば使う道具(変換酵素)も違ってくるのです。 

生体内の酵素が各人の体内にどの種類がどれだけあるか未知数です。ビタミンA誘導体を肌にいれたら、あとは生体内の酵素にレチノイン酸への変換はお任せするしかないです。 

コントロールできない以上、様々な種類のビタミンA誘導体を肌に塗布した方が、最終形態のレチノイン酸に変換される確率があがるのでは?という事も考えられますね。 

 

②に続きます。

 

レチノイド受容体…レチノイン酸と結合するタンパク質。