パーキンソン病は脳内にドパミンが不足することで、手足の震え、筋肉のこわばり、動きが鈍くなる、身体のバランスがとりにくくなるなどの症状が現れる病気です。パーキンソン病は、高齢になるほどかかりやすく、50歳以上で発症割合が増えてきます。
パーキンソン病はドパミンが不足すると起こりますが、ドパミンは脳内にあるドパミン神経細胞で作られます。このドパミン神経細胞は加齢とともにある程度減少していきますが、パーキンソン病の方は減少のスピードが速い事がわかっています。ドパミン神経細胞が減少する理由はわかっていませんが、αシヌクレインと呼ばれるタンパク質の蓄積が関係していると考えられています。
パーキンソン病の症状には、「ふるえ」や「筋肉が固くなって指などがスムーズに動かしづらい」「動作が遅くなる」「体のバランスが取りづらい」などの運動症状と、便秘、めまい、においが感じにくい、睡眠障害、疲労、体重減少など非運動症状があります。
また、非運動症状には、便秘、頻尿、立ちくらみ(自律神経障害)、気分の落ち込み、うつ、幻覚、不安、幻視、においが分からない、不眠、日中の眠気、物忘れ、注意散漫(認知機能障害)などがあります。
1度:症状は片側の手足のみ
日常生活への影響はごく軽度。
2度:症状が両側の手足
多少の不便はあっても、従来どおりの日常生活を送り事ができます。
3度:活動がやや制限
歩行障害や姿勢反射障害があらわれますが日常生活は自立しています。
4度:介護が必要
両側の手足に強い症状があり自力での生活は困難
5度:車いすでの生活や寝たきり
一人で立つことが出来なくなり、全面的な介護が必要
パーキンソン病を根本的に治療する方法は現段階ではありません。薬物治療を中心とした症状を緩和する対処療法がおこなわれます。また、手術療法が検討されるケースもあります。薬物治療にはレボドパとドパミンアゴニストが用いられます。レボドパは脳内でドパミンに変換されることで症状を緩和し、ドパミンアゴニストはドパミンの作用を補います。以下はパーキンソン病に使われる主な薬剤です。
症状のヒアリング・診察
頭部MRI等で評価
専門家の評価が必要なため神経内科を紹介
※ 治療の過程でさらに詳しい検査が必要と判断した場合は、連携病院や基幹病院を紹介することもあります。