耳は外側から外耳、中耳、内耳に分けられます。このうち内耳には音を感じる蝸牛と、体のバランスを感じる三半規管があります。中耳と内耳は隣接しているため中耳で炎症(中耳炎)が起こると、となりの内耳まで炎症が波及することがあります。内耳に炎症が波及することを防ぐため中耳炎の状態で早めに受診することが大切です。
内耳炎の原因は、中耳炎が原因となります。中耳と喉をつなぐ耳管を経由して細菌やウイルスが侵入し感染して炎症をおこします。中耳が炎症を起こし、その炎症が内耳まで波及すると内耳炎となります。そのほかではヘルペスウイルスやムンプスウイルスなどが血液を介して内耳にはこばれる事が原因の場合もあります。
インフルエンザ中・内耳炎 、耳下腺炎性聾(ムンプス聾) 、ハント症候群 など
内耳には音を感じる蝸牛と、体のバランスを感じる三半規管があります。このため内耳炎を起こすと難聴、耳閉塞感、耳鳴りなどの聴覚症状が現れます。三半規管が障害を受けると、めまい、ふらつき、吐き気などの症状が現れます。これらの症状が単独で現れたり、難聴とめまいが併せて現れることがあります。
検査には内視鏡による中耳の観察を行います。また、聴力低下を評価するために聴力検査を行います。内耳炎ではめまいを起こす場合があります。めまいの評価にはフレンツェルの眼鏡で動きの検査を行います。
内耳炎の治療には、一般にはステロイド薬・抗生物質による薬物療法がおこなわれます。中耳や髄膜の感染症に伴う中耳炎や髄膜炎を起こしている場合、抗生物質による治療が必要です。好酸球性中耳炎と呼ばれる中耳炎に関連した内耳障害が起こっている場合は、ステロイドを用いた治療が検討されます。真珠腫性中耳炎が原因となっている場合は手術も検討されます。ただし、内耳が一度障害されると回復には極めて時間がかかります。
症状のヒアリング・外部診察
鼓膜検査 チンパノグラム
聴力検査
必要に応じ採血を実施
内服治療開始
再診
※ 治療の過程でさらに詳しい検査が必要と判断した場合は、連携病院や基幹病院を紹介することもあります。