メニエール病は、はげしい回転性のめまいと耳鳴り、低周波性の難聴が特徴で、20~50歳で発症することが多い病気です。耳の奥には内耳があり、ここのリンパが増えて水膨れの状態になることで起こります。この水膨れがどの場所にどれくらいの強さで起こるかによってその症状は異なります。
メニエール病は、身体の平衡感覚をつかさどる内耳に通常存在している液体の量が過剰にたまる「内リンパ水腫」によっておこります。耳の中の液体は分泌と再吸収が正常な状態では行われていますが、分泌量が増えたり、再吸収量が減ったりすることで量が過剰になり水膨れが起きます。液体の量が過剰になったり再吸収量が減るなどの変化の原因についてはわかっていません。
メニエール病の症状は強い回転性のめまいです。このめまいは日常生活に支障をきたすようなめまいです。そのほか耳鳴りや難聴などがあります。発症は耳の詰まり感からはじまり、耳鳴りから聴力の低下、そしてめまいの発作が生じます。このめまいは30分から数時間続く事があります。いったん症状がおさまっても再発する場合が多くあります。
メニエール病の検査では、めまいの有無を調べるために平衡感覚を調べます。平均感覚を調べるには、目を閉じて片足で立つ「直立検査」と、30秒間足踏みをする「足踏み検査」があります。メニエール病の疑いがある場合は、これらの検査でふらつきが認められます。また、目の動きを確認するための検査を行う場合もあります。
メニエール病の診断基準には以下の3つがあります。
「メニエール病疑い」「メニエール病確実」の2つの基準を設けている点が特徴として知られています。
アメリカの耳鼻咽喉科学会が作成した基準です。
難病医学研究財団・難病情報センターが発表した研究結果に基づいています。
メニエール病の薬物治療には、めまいを和らげるお薬や、吐き気を抑えるお薬を用いた対処療法と、予防を目的とした予防療法の二つのアプローチで行われます。薬物療法には以下のようなお薬を用います。
「内リンパ水腫」は、内耳のリンパ液が増えすぎている状態のことです。
症状のヒアリング・耳診察
眼振確認
聴力検査
内服治療開始
再診
※ 治療の過程でさらに詳しい検査が必要と判断した場合は、連携病院や基幹病院を紹介することもあります。