胃の働きの主なものでは、食べた物を消化するということです。食べた物は胃の中で胃酸や消化酵素と混ぜられて、どろどろとした、お粥のような状態になります。この粥状になった食べ物は、幽門部を通って十二指腸へと送り出されます。このように胃は食べた物を吸収されやすいような状態へとする働きを持っています。
その胃に発生する胃がんは、何等かの原因で胃の粘膜の細胞が癌細胞となり、増えていくことで発生します。胃がんが大きくなると粘膜→粘膜下層→固有筋層→漿膜へと深く進んでいきます。漿膜の外側まで達すると、近くにある大腸や膵臓すいぞうにも広がっていきます。このようにがんが周囲に広がっていくことを浸潤(しんじゅん)といいます。また、胃がんの進行程度はI期、II期、III期、IV期に分類されます。
初期ではほとんどの場合、症状はなく進行した場合の症状としては胃の痛み、胃の不快感、胸やけ、吐き気、食欲不振、食事がつかえる、体重が減るなどの症状があります。これらの症状は胃炎や胃潰瘍でも起こりえますので、これらの症状がある場合は検査をされることをお勧めします。
胃がんはほとんどを腺がんが占めています。この腺がんの細胞の特徴から胃がんは「分化型がん」「未分化型がん」のふたつに分けられます。
分化型胃がんは胃粘膜細胞に形状の似た腺がん細胞で固まりのまま広がります。
未分化胃がんには増殖スピードが速いスキルス胃がんも含まれます。未分化型胃がんは正常細胞の名残りのない腺がん細胞でバラバラと広がるように増殖します。
胃がんが疑われると、がんであるか確定するための検査を行います。確定するための検査には内視鏡検査で胃の内部を見て、疑われる箇所のつまんで取ります。(生検)病理検査で胃がんかどうかを確定します。
胃がんが確定したら、次に進行度を診断するための検査を行います。検査にはCT検査、MRI検査、PET検査を行い、浸潤の度合いや転移の有無を検査します。
治療方法は、がんの進行の程度や体の状態などから検討します。
内視鏡による手術がメインになります。
ステージ2期の場合、開腹手術が一般的です。
抗がん剤治療、免疫療法も加わります。
ステージ4期では抗がん剤治療、免疫療法により癌の縮小を目指し、転移が少ない場合は手術を行います。
症状のヒアリング・腹部診察
腹部超音波検査と採血等で評価
専門病院での胃カメラをお勧めいたします。
※ 治療の過程でさらに詳しい検査が必要と判断した場合は、連携病院や基幹病院を紹介することもあります。