胃潰瘍は、ストレスが原因で起こることが多い病気で、炎症が繰り返されることによって胃粘膜の一部が欠損した状態の事をいいます。この部分が浅い場合は「びらん」、深い場合は「潰瘍」と呼ばれます。
胃粘膜は通常、粘液で守られているため胃酸や消化酵素によって溶かされることはありません。しかしストレスなどによって自律神経のコントロールに不調が起こると、粘液が不足したり胃酸の量が多くなりすぎ、胃粘膜自体が消化されてしまう事で、びらんや潰瘍などの粘膜障害を生じます。
胃潰瘍で最も多い症状には上腹部の「みぞおちの痛み」があります。食後に痛みを感じることが多く、食べ過ぎた場合は長時間胃の不快感が続きます。この痛みの強さは潰瘍の程度とあまり関連しておらず、胃壁に穿孔を起こすまで自覚症状がほとんどないというケースも存在します。潰瘍からの出血が多くなると、吐血や下血を起こす事もあります。そのほか貧血や立ち眩み、便が黒くなること(タール便)があります。
胃潰瘍の原因の7割以上がピロリ菌感染によって起こっているとされています。ピロリ菌に感染すると、慢性胃炎となり、その一部が胃潰瘍となります。ピロリ菌が原因の胃潰瘍の場合は抗生物質を1~2週間服用して菌を除去して治療します。 ピロリ菌以外の原因としては精神的ストレスによるものが多くあります。
現在、胃潰瘍は外科手術ではなく薬で治療します。(原則、6~8週間の薬物治療が必要です)症状が改善したからと自己判断でお薬の服用を中断すると再発を繰り返し悪化させてしまうため、医師の指示を守って治療を受けてください。また、ピロリ菌が陽性となっている場合は抗生剤を1~2週間服用して除菌治療を行います。
症状のヒアリング・診察
緊急性のない場合
緊急性の高い場合
内服治療開始 並行して胃カメラをご案内
※ 治療の過程でさらに詳しい検査が必要と判断した場合は、連携病院や基幹病院を紹介することもあります。